矯正治療と不定愁訴

歯列矯正治療は、主に二つのうちどちからの理由によって希望がされています。一つ目は、歯並びの悪さがコンプレックスとなっているための審美目的のため。もう一つは歯の咬み合わせが悪いことで肩こりや頭痛といった健康に被害がでてしまっているためです。歯並びは確かに顔のよしあしを決める重要なポイントではありますが、それ以上に体のバランスを整える大切な役割も持っています。
歯並びの悪さがかみ合わせを狂わせ、体の調子を悪くしていることを「不定愁訴」と呼びます。不定愁訴が起きると、頭痛や肩こりの他、生理痛やはきけ、めまいといった症状までが引き起こされてしまうことまであります。不定愁訴の場合原因が歯並びにあるということはなかなか気づきにくく、最初は歯科ではなく内科や整形外科など色々な科を転々とした末にたどり着くということもよくあります。
歯列矯正治療によって不定愁訴が治ることは確かにありますが、すべての不定愁訴が歯列矯正治療によって改善されるかというと、必ずしもそうとは言い切れない部分もあります。改善がされやすい項目ももちろんありますが、中にはなかなか改善ができなかったり、改善はされても完治というところには至らないということもあるのです。
たまに「不妊症の原因が歯並び」と思っって歯科医院を訪れる人もいるようですが、歯並びが治ったからといってすぐに不妊が解消されるかというと、おそらくそれだけで治療されることはないでしょう。